その花粉症、住まいが影響しているのでは?

春先になると、花粉症で、ゆううつで、つらい思いをする人が多く、

今や、日本人の4人に1人は花粉症と言われています。



日本の森林面積に占める、スギ人工林は、約450万ヘクタールで全体の18%を占めています。



特に、スギ花粉症が、多くのニュース媒体で取り上げられるので、「杉の木」というと、花粉症と連動して、知らない人がいないくらい有名な杉の木です。



スギの木は、日本だけに生息している固有種で、「クリプトメリア・ヤポニカ」(Cryptomeria japonica)と、言う学術名がついています。

スギ科スギ属に分類され、1属1種(亜種が存在しない)という、珍しい樹木です。



「クリプトメリア」は、ギリシャ語で、「隠れた部分」を意味しています。

まさに、日本を代表する樹木です。


( 宮崎県のみやざきスギの人工林の山林 )

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そのように日本を代表するスギも、春先の花粉症シーズンになると、「スギの木を全部伐ってしまえ!!」などと、悪者になってしまいます。



なかには、「スギの木材を使って家を建てても、スギ花粉症は大丈夫なのでしょうか?」と、ご質問をいただくことがありますが、「スギの木材からは、花粉は発生しませんので、安心して使って下さい」と答えています。



スギのために、おおいに擁護して言いますが、花粉症はスギだけではないのです。



北海道では、白樺やハンノキのよって花粉症になる方がおり、沖縄ではサトウキビ、モクマオウの花粉で、また、雑草地のブタクサ、ヨモギ、田んぼのイネの花粉などで花粉症になる方も少なくありません



スギ以外が原因の花粉症の患者も日本人の約15%の方々がいるようです。

(*1)



私は、山村生まれで、まわりの山々は、スギの人工林で、道路の両脇は杉林があるような所で育ったのですが、私自身、花粉症とは縁が無く過ごしてきました。



花粉症がこんなに多くの人が発症するようになったのはいつの頃からなのでしょうか。



次に、大変興味深い、農薬(有機リン系)の農薬とスギ花粉アレルギーの相関関係のグラフがあります。

北里大学医学部眼科の石川哲教授が、農薬がアジュバントとして、アレルギー症状を悪化させるという言う実験を、動物実験によって確認をしています。

(*2)



(有機リン(*W1)とスギ花粉アレルギーの関係のグラフ (*2) )

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*農薬が花粉症を悪化させる?



スギ花粉症によって、アレルギー性結膜炎を起こしたモルモットに、有機リン系殺虫剤のスミチオンを皮下注射し、次に、その2日後にスギ花粉を点眼して、その影響を観察したグラフです。



モルモットに、体重1㎏あたり、1000万分の1gと言う微量を注射しただけで、アレルギー性結膜炎の症状は悪化し、100万分の1gでピークに達しています。



それ以上スミチオン(*W3) の量を増やすと、症状は弱くなります。



不思議な気もしますが、これはアレルギー反応を起こす際に働いている免疫細胞に関係する酵素が農薬によって働かなくなり、ヒスタミンが出にくくなったためと考えられています。



アレルギー性結膜炎の悪化は、モルモットを使った別の実験では、除草剤のパラコートでも1000万分1gの投与で、おこることが確かめられています。



つまり、多くの農薬がアジュバントとして作用し、症状の悪化の原因になっていると言うことです。



100万~1000万分の1gと言う量は、野菜や果物に残留している農薬の濃度、ppm(*W2 )と同レベルです。



花粉やダニなどのアレルゲンだけでは、アレルギー症状をおこさないが、化学物質が加わることで、症状が現れることがあります。



化学物質が補助薬、促進役として働くのです。

これを「アジェバンド」と言います。



農薬がアジェバンドとして、アレルギー症状を悪化させることは、上記の表からもわかるように、動物実験によって確認されています。



有機リン系の化学物質は3000種くらいあると言われ、地下鉄サリン事件で大ニュースになったサリンもその一つです。



多くの皆さんは、サリンと言われれば、「これは危険」と思いますが、実は、私達の身近に、多く有機リン系化学物質が使われ、無意識のうちに、私達の住まい・内装建材にも多く有り、使われているのです。



有機リンは、神経の伝達をうまくいかなくなるような作用があります。



農薬で多く使用されているスミチオン(フェニトロチオン)は、猛毒のパラチオンにメチル基がついただけのものです。



有機リン化合物は私達生物の体内にある物質の分解や合成を行う役目のる酵素をダメにします。



有機リン系化学物質は、自律神経に異常を及ぼし、のどの渇き、吐き気、頭痛、おう吐、更にひどきなると瞳が縮まる縮瞳等の症状が出ます。



実は、これらの症状は、強力な中毒症状ではなく、空気中の化学物質の濃度がppm(100万分の1)あるいは、ppb(10億分の1),ppt(1兆分の1)というごく微量に達した時、呼吸器や皮膚への接触を通じて引き起こされるのです。(*3)



私達の住まい造りで、農薬の有機リンなどの農薬や、有機リン系の化学物質を使った建材などが非常に多く使用されているのです。



2003年(平成15年)7月1日にシックハウス対策に係る法令等が施行され、多くの皆さんが、そんなことはないと思うかもしれませんが、ホルムアルデヒドとクロルピリホスとが規制されただけで、建築基準法上は、そのほかの化学物質は規制していないのです。



笑ってしまうのは、多くのハウスメーカーや、建築業者の方々は、ユーザーに対して、ホルムアルデヒドに対してのF☆☆☆☆(フォースターと呼ぶ)の建材を使用することで、「私どもは、国で決められた最高等級の建材を使って、家を建てている。」と、ユーザーに言っていることです。



現在は、どの建築業者でも、F☆☆☆☆のマークの刻印された建材を使用していて、それ以外を見つける方が大変です。



それよりも大事なことは、微量な濃度でも、住む人達の悪影響の大きい有機リン系化合物や、環境ホルモンの疑いのある建材を排除することの方が大事なのです。



それでは、多くのハウスメーカー、パワービルダー、建築業者、多くの工務店の造っている、マンション及び住宅の、内装建材はどのような建材を使用して入るのでしょうか。



戸建て住宅の例

(ハウスメーカー・パワービルダーのLDKの内装の例)

(注) 緑の文字はホルムアルデヒドの発生源
赤文字は、有機リン系化合物含有資材
紫文字は内分泌かく乱物質(環境ホルモン)
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(ハウスメーカー・パワービルダーの個室の内装の例)
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( マンション分譲業者の高級マンションの個室の内装の例)
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上記の内装材の実例からわかるように、建材のコスト差はありますが、有機リン系の化合物や環境ホルモン等の室内空気汚染物質の内容については、建築工事費の価格とは関係が無く空気汚染がされているのです。



「化学物質の反乱」の著者である、千葉大学の戸高氏が書いているように、化学物質のフタル酸エステル類7種類と有機リン化合物類8種類検出されています。



この中で、最も濃度が高かったのはフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)で、1立方メートルあたり、1046ナノグラムナノグラム、次が、フタル酸ジ-n-ブチル(DnBP)で871ナノグラムという報告例があります。



また、有機リン系のリン酸トリブチル(TBP)が22.6ナノグラム検出されたのを始め、有機リン系の難燃剤が、6種類検出されたという報告例もあります。



内装材の塩化ビニルクロス、塩化ビニル系の内装造作材、内装ドアの化粧シート等から出ているのではないかと推測されています。



日本では、有機リン系難燃剤・可塑剤は、年間約20000トン精算されています。



戸建て住宅とマンションの内装事例を見てもわかるように、一般的に、日本の住宅の大半は、塩化ビニル建材で内装される部屋が多いため、有機リン系化学物質のリン酸トリス(TCEP),リン酸トリブチル(TBT)、リン酸トリクレシル(TCP)がかなり高濃度で検出されると言われています。



このような高濃度の部屋の中で、生活していると、私達が、大人が1日に吸い込む空気の量は、約15立方メートル、重さは約20キログラムと言われています。



六畳の部屋では、約24立方メートル、重さは約30キログラムになります。



空気は私達の目に見えないため、本当に大事な存在ですが、口に入る食べ物より、存在が希薄です。



しかし、食べ物を一日、吸い込んでいる空気の量と同じ重さの約20キロの食べ物を食べることは出来ません。



そこで、室内の空気汚染が私達にとって体験危険なのです。



室内の内装建材の含有している化学物質が、揮発して、私達生活している室内や部屋の空気が汚染されると、大変微量なのですが、1日に吸い込む約15立方メートル、約20キログラムの空気と共に肺に入っています。



これらの化学物質が空気中に1ppm(100万分の1)(*W2)でも、年間には7グラム取り入れることになるのです。



ppmは、微量な単位ですが、私達が毎日吸う空気の量が大量なので、微量でも、安全とは言い切れないのです。



( 大人が1日に吸う空気の量 )
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この毎日吸う空気量からもわかるように、住まいのなかの微量な有機リン化合物が、体内に蓄積していくことで、「有機リン(*W1)とスギ花粉アレルギーの関係のグラフ 」からも推察されるように、花粉アレルギーがひどくなってなっていくのです。



農薬は、身の回りの化学物質に中でも、最も毒性の強いものです。



このブログを読んで下さっている方の多くは、毎日生活している部屋の内装材に、そんなに多くの化学物質使用されていたなんて知らなかったという方が大半でしょう。



それは、一般のユーザーの方達が、カビが発生しない、メンテナンスの楽な、汚れがつか無く、汚れが取れやすく、掃除が簡単に、工事が早く済むようになどと、要求した結果が、カビが発生しないように、防カビ剤の農薬を混入した建材を、工事が簡単でカビが目立った無くするには円かビニル建材を使用し、などと、そこに、有機リン系化合物剤を混入した建材を使用していった結果なのかもしれません。



この呼吸するたびに体内に取り込まれた化学物質が世代間で濃縮されると最近アレルギーの患者が増加して行くのではと推測されています。



そのことを合理的に説明できるのが、例えば、昭和30年代に離乳食で卵を与える年齢をそれまでの7カ月から4カ月に保健所が変更しました。



生後4カ月から卵を食べて育った子供が大人になり、結婚して子供を生み、その子がまた4カ月から離乳食で卵を食べると卵のアレルギーになる可能性が高くなってくるのです。



つまり、アレルギーの体質が世代間で継承、濃縮され、後の世代ほど少ない量でアレルギーの症状を示す可能性が大きくなるからです。



これは、卵アレルギーの話ですが、有機リン化合物による、アレルギー疾患や、もっと恐ろしい、私達の子孫に影響を及ぼす、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)についても、同様のことが言えるのです。



日本の大多数の住まいは、サウナスーツで包み込んだような、円かビニル建材で包み込んだ住まいで生活して、アレルギー疾患に悩み、子孫に影響のある建材での部屋家族が生活していっていいのでしょうか。



私達は、なぜ、家づくりに時間を掛け、インフォームドコンセントを大事にし、国産材で、そして、内装建材は天然素材にこだわり、接着剤から塗料まで、こだわった家づくりをするのはこのような理由からなのです。



住まいは、第3の皮膚」(ドイツのパラセスサス・医師)といわれ、私たち人間という生き物に、安全で、健康な生活が出来るような居住空間でなければなりません。


住まいこそ、人間にとって一生涯にわたって関わりを持ち、人間や家族にとって、最も中心になるものです。


その生活の中心となる居住空間が、今や化学物質建材や農薬に、石油化学建材等から発生する揮発物質や有害ガスにより、室内は空気汚染され、そこに住む人々の体を徐々に蝕まれてきているのです。


このような住まいが、今も、大量に、建築供給され続け、ユーザーの方々は、無関心で、そして、全く知らないまま、大切な家族とともに住み、化学物質過敏症やアレルギー疾患や喘息等のアレルギー症状を起こし、安全であるべき住まいが、危険な住まいになってきてしまっています。



あなたが、関心や、興味を持つことで、変わっていきます。



最後に、塩化ビニールクロス、有機リン系農薬、農薬、ホルムアルデヒドなどの毒性を持つ化学物質の影響資料を、提示しておきます。



( 2013年6月9日・国際シンポジウム・有機リン・ネオニコチノイド系農薬のヒトへの影響 )
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この論文の怖いことは、母親が妊娠中に、日常生活レベルの低用量でも有機リン系農薬を暴露すると、生まれた子供が、注意欠陥/多動障害(ADHD)、IQの低下、精神発達遅滞、行動異常を発症するリスクが上がるなど、子供の脳発達に重大な悪影響を及ぼすことを明らかにした論文を発表したことです。



( 2012年12月18日・環境ホルモン学会・脳神経科学からみた化学物質過敏症 )
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( 2017年7月15日発行・年日本臨床環境医学・第26巻第1号別冊・塩化ビニールと健康障害 p-1)


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( 臨床環境医学・第26巻第1号・塩化ビニールと健康障害 p-2)

ページ数は、9ページまでありますが、またの機会にご紹介いたします。

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*文中の言葉・単語の説明

*W1:有機リン 人や動物、昆虫の神経を麻痺させて殺す作用をもった化学物質。毒ガスの「サリン」がも有機リン系化学薬品です。



*W2:PPM(Part(s) Per Mirrion)は、ある量が全体量の100万分のいくつあるかを表す数値(百万分率)である。
気体の場合は、体積比を用い、その他の場合には、質量比を用いる。
例えば、1m3の大気中に2‹存在する気体の濃度は、2PPmであり、1㎏(又は、近似的に1)の排気中に3㎎存在する物質の濃度は、3PPmである。
PPb(Part(s) Per billion) 10億分のいくつ
PPt(Part(s) Per trillion) 1兆分のいくつ
1PPd=0.001PPM 1PPt=0.001PPd



*W3:スミチオン - 有機リン系農薬
変異原性あり。動物実験で精子形成異常、免疫機能障害、連続投与による副腎の肥大も報告されている。

病人(特に肝臓障害やパーキンソン病患者)には、微量でも強く現れるから注意を要する。



*w4:リン酸トリス(TCEP)-建築用難燃ボード、パネルの難燃剤、内装用吹き付けスプレーの難燃剤、自動車のクッションの難燃剤に使用。

変異原性、発がん性がある。



*W5:リン酸トリクレシル(TCP)-プラスチック一般の難燃可塑剤、塩化ビニルの可塑剤として使用されます。

毒性としては、遅発性神経毒性、経皮毒性、末端神経障害、筋萎縮、胃腸障害などが有り、悪心、おう吐、下痢がTCPによる最初の兆候。



*W6:リン酸トリプチル(TBT)-合成ゴムの可塑剤、殺虫剤、腐食防止剤に使用され、局所刺激性が強く、目、皮膚あるいは、呼吸器を強く刺激し、多く摂取すると衰弱、呼吸困難、けいれんなどの症状が起こります。



*W7:内分泌かく乱物質(環境ホルモン)

オクタクロロスチレン・スチレンダイマー・トリマー・n-ブチルベンゼン・フタル酸ジシクロヘキシル・ベンゾフェノン・ポリ臭化ビフェニル・ 2,4-ジクロロフェノール・フタル酸ジエチル ・フタル酸ブチルベンジル・4-ニトロトルエン・アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル ・フタル酸ジ-n-ブチル・フタル酸ジ-2-エチルヘキシル・ノニルフェノール・ビスフェノールA



*参照、参考資料

*1:2018年1月24日 花粉症なくせる? 夕刊読売新聞

*2:1995.0201・農薬がアレルギーを悪化させる仕組みとは 

ジャーナリスト/環境・医療問題研究か 渡辺雄二 グリーンステーションVol2

*3:予防医学ニュース 92号 1996年(平成8年)9月15日発行

*4:20140911・室内汚染の発生源・2003インテリアプランナー・更新講習テキスト







*ブログ関連するリンク先



宮崎スギのリンク先:山村・木材振興課みやざきスギ活用推進室

http://www.pref.miyazaki.lg.jp/miyazaki-sugi/



宮崎県産直住宅推進協議会:
http://miyazaki-sanchoku.com/



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